■「ご主人〜」
ラヴェンナの土産屋でのこと。
モザイク製品などの土産品を扱うその店は、5m四方ほどのこじんまりとした店。レジの奥では年配のご主人と、たぶん奥さんと思われる女性が、大勢のお客からのリクエストを受けていた。
バス待ちのわずかな時間を利用して、その店に入った私は、展示してあったフォトフレームがとても気に入り、それを買おうと思った。
だが、レジを見るとその二人は、やはりツアー客の集団を相手におおわらわだった。
お客も、順番待ちをしてる雰囲気ではなく、声の大きい者が優先されるような混沌とした状況だった。
これじゃあ、買うのは難しいから諦めかなあ、と思いつつも、ものはためしと、「スク〜ズィ〜、シニョ〜レ〜」と大きな声でご主人に向けて発してみた。
よく呼びかけに「スク〜ズィ〜(すいません)」という言葉は使うけど、英語のミスターにあたるシニョーレを加えたのは初めてだった。
「ご主人、すいませ〜ん」という意味を成すその言葉の威力は絶大だった。あさっての方向を向いて別のお客の注文を受けてようとしていたそのご主人が、きりっとした顔をして、「すぃ〜〜(は〜い)」と寄ってきてくれるではないですか。
これは、某地球の歩き方に載っていたことを実践しただけですが、いやあ、本当に効果絶大。
おかげで、待ち合わせに遅れるようなこともなく、お気に入りの写真立てをゲットできました。
ただし、これを男性がやって通じる保障はいたしかねますので男性の方にはあしからず〜。